世の人は我を何ともいわば言え
我がなすことは我のみぞ知る
龍馬の詠んだ和歌であるが、東奔西走した志士たちは同じような心境で、私心を捨てて自らの信念を貫き、明日の日本のために身を投じていった。
近年、武士の生き方が再評価されている。多くの人を育てた吉田松陰は、「志を抱いて行動すればおのずと、そこには使命と覚悟があらわれるものである。高邁な志があれば、志半ばで殉死しても必ずや受け継ぐ者があらわれる。無気力で志も持たず、命を永らえるべきではない」と、その生涯を全力で走り抜けていった。
身分はどうあれ志の高い志士たちが残した詩書からは、ほとばしる精神力がみなぎっている。「心気清徹にして明鏡の如し」の心に触れることができる。
夏の展覧会ではそのような詩書をはじめ、勤王、佐幕と立場は違っても、日本の行く末を憂いた幕末の英傑たちが、真剣に立ち向かっていった姿を伝える資料や解説映像などで維新への軌跡をたどってみたい。
現在、日本は財政難や経済不況、そして何よりも東日本大震災によって、大変な苦境に立たされている。試練を乗り越えようとする私たちに、幕末の先覚者が語りかけてくるメッセージに耳を傾けたい。
本展にご協力いただいた関係各位に厚くお礼を申し上げます。
平成二十三年(2011)七月 霊山歴史館 |