館蔵の逸品

山内容堂 詩書
酔擁美人楼
(すいようびじんろう)

山内容堂 詩書 酔擁美人楼(すいようびじんろう)

「酔擁美人楼」は、土佐藩主・山内豊信(とよしげ。隠居後は容堂)の号です。

容堂の号は「鯨海酔侯(げいかいすいこう)」が有名ですが、この号も気に入っていたと思われ、東京橋場の別荘にも「酔擁美人楼」と書した扁額を掲げていました。

落款には、「武陵罪人(ぶりょうざいにん)」とありますが、これは世間とかけ離れた平和な天地を意味する「武陵桃源(ぶりょうとうげん)」をもじったものです。

「罪人」とは安政の大獄で処罰され、隠居に追い込まれたことへの自虐と推測されます。