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霊山顕彰会創設100周年に向け 心新たに一歩を踏み出す

2019.01.15

写真:理事長 中村邦夫

明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、ご家族ともども清々しい新年をお迎えになられたことと心よりお慶び申し上げます。

昨年は明治改元より150年の節目にあたるということから、多くのメディアで明治150年関連情報が報道されました。また、全国の博物館や幕末・明治維新ゆかりの場所で「明治150年」「戊辰150年」と銘打った展覧会や行事が開催されました。NHKは維新の三傑の一人である西郷隆盛を主人公とした大河ドラマ「西郷どん」を放送しました。

公益財団法人 霊山顕彰会は、明治100年にあたる1968年に創設されましたので、昨年で50周年を迎えることとなりました。半世紀の長きにわたりご支援いただきました皆様に心より御礼申し上げます。また、50周年を記念した事業に対しましても、多数の特別法人会員様から、ご支援を頂戴いたしました。重ねて厚く御礼申し上げます。

霊山歴史館では、明治150年に対応し、通年特別展「大西郷展」を核として、積極的な事業活動を展開いたしました。また、大河ドラマに連動したNHK主催の「西郷どん展」(東京・大阪・鹿児島)にも歴史館の資料数十点を貸し出しました。同展覧会の運営にご協力させていただくとともに、多数のご来館者に霊山歴史館の名称を訴求することができ、ありがたく存じております。さらに「京の夏の旅」「デジタルスタンプラリー」など京都市のご協力もいただきながら、来館を促進いたしました。

さて、今年は顕彰会創設51年目となりますが、単に50周年という節目の次の年ではなく、100周年に向けた再出発の年と位置付けております。
「近代日本の礎を築いた先覚者の精神と偉業を顕彰し、次代の日本を担う世代に、この精神を継承発展させていく」という使命達成に向けた顕彰会の責務は、ますます重かつ大なるものになります。

ここで、今年、話題になりそうな幕末・明治維新の情報をご紹介いたします。まず、今夏、東京都大田区に、勝海舟記念館が開館予定です。幕臣でありながら、坂本龍馬に影響を与え、さらに西郷隆盛を説得し、江戸城無血開城を実現させた勝海舟の記念館です。江戸の町を戦火から守った幕府軍の指揮官 勝海舟を再評価する動きが出てくるのではないでしょうか?

次に昨年末の東京を皮切りに年明けには大阪、京都ほかで公開予定の映画「輪違屋糸里 京女たちの幕末」(原作:浅田次郎)は、京都・島原の置屋「輪違屋」の芸妓 糸里が主人公で、女性の視点から新選組を描く内容です。糸里は実在の人物ですが、劇中の糸里は新選組副長 土方歳三に恋心を抱き、その彼は明治2年に箱館五稜郭の攻防戦で戦死してしまいます。今年は、土方歳三没後150年ということになり、同じ幕府側の勝海舟と並び、注目を集めそうです。

現在、霊山歴史館の隣地では、今秋の完成を目指し、高級ホテル「パークハイアット京都」の建設が進んでいます。日本の伝統精神を後世に継承しようとする施設の横で、外資系ホテルが開業するというのも、旺盛なインバウンド需要に沸く京都ならではの事例です。坂本龍馬はじめ霊山に眠る志士たちはどのような思いで眼下の風景を眺めることになるのでしょうか?興味深いところです。

今年は、平成が終わり新元号がスタートする年でもあります。霊山顕彰会は、新たな元号のもとで、幕末・明治維新の研究・啓蒙活動を展開することになります。
これを機に、今一度創設の理念に立ち返り、新たな半世紀へ挑戦する年として、展覧会、講演会、広報活動、他団体との連携強化により、一人でも多くのお客様にご来館いただき、「来てよかった」とご満足いただけるよう、職員一同、努力してまいる所存でございます。

今年が皆様にとりまして輝かしい年になりますよう、お祈り申し上げますとともに、より一層のご指導・ご支援を賜りますようお願い申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。

2019年 1月 1日
公益財団法人 霊山顕彰会
理事長 中村邦夫

中村邦夫の氏名の正式表記