ごあいさつ
「霊山顕彰会創設の精神と使命に立ち返る」
霊山顕彰会は明治改元から100年が経過した1968年(昭和43年)に「近代日本の礎を築いた先覚者の精神と偉業を顕彰し、次代の日本を担う世代に、この精神を継承発展させていく」ことを目的に創設され、2018年(平成30年)には創設50周年を迎えることができました。
改めまして、半世紀の長きにわたり、顕彰会をお支えいただきました皆様に心より御礼申し上げます。
霊山顕彰会の使命は3点です。
- 幕末・明治の先覚志士の墓碑の立ち並ぶ京都東山の霊山一帯の歴史的風土を維持・保全する。
- 先覚志士の精神を顕彰し、日本伝統の精神文化の振興と、青少年の健全な育成を図る。
- 歴史館を運営することにより、日本の歴史と伝統を幅広く紹介し、日本人としての精神や独自の高い文化を今日的に生かし、広めていく。
今日の社会は、多くの人々が物質的な豊かさ・利便性を享受する一方で、様々な事件、事故、環境問題、教育問題、公共空間でのマナーの欠如などの現象を目の当たりにします。日本人が本来大切にしてきた心の大切さ、他人への思いやりや家族愛、公共精神が失われつつあるのではないかと危惧し、精神面で多くの課題に直面しているように存じます。
この国の将来を憂い、東奔西走した先覚者たちの情熱と犠牲の下に築かれてきた社会が、時代の経過とともに、精神面から荒廃しつつあるのではないでしょうか。
このような時代にこそ、霊山顕彰会創設の精神に立ち返り、「健全な日本」を次の世代に継承する一助となるよう、公益事業を力強く推進していく使命があると存じております。
また、霊山顕彰会の具体的な活動の場である霊山歴史館は1970年(昭和45年)に開館し、2020年(令和2年)に50周年を迎えることができました。
お蔭様をもちまして、歴史ファンのみならず、刀剣愛好家、修学旅行生、海外のお客様など、幅広い階層のお客様にご来館いただくまでに成長いたしました。まさに洋の東西を問わず、老若男女に楽しみ、学んでいただける場になってまいりました。
訪れる人々に幕末維新の息吹を感じさせる貴重な資料を収集・研究・展示する専門的な歴史博物館として、霊山歴史館の存在意義は、年々高まりつつあります。今後さらに充実した館となりますよう、職員一同更なる努力を重ねてまいります。多くの皆様のご来館を、心よりお待ち申し上げております。
公益財団法人 霊山顕彰会
理事長 松下正幸